革製のズボンのポケットから、無造作に右手でナイフを取り出すダチュア。刃渡りもかなりながく、盗賊達が愛用するナイフのひとつだ。
だが、ライラックは顔色ひとつ変えずに、
『…小さな子供相手にナイフかぁ。まぁ、それで気がすむならいいけどね…』
と、皮肉っぽく言葉を吐き捨てる。
その態度がますます気に食わないダチュアは、ナイフを握っている右手に力を込め、ライラックに向かって走り出した。
ナイフを構え、突き刺す勢いだ。
『くたばれ!…ライラック!!』
そう、ダチュアが絶叫した瞬間だった。
あと2、3歩で届くはずだったナイフが突如、ダチュアの拳から消えているのだ。
訳も分からないダチュアは立ち止まった。そして消えたナイフを握っていた右手を見回した。だがあるはずもなく、ダチュアは混乱している。
そんなダチュアに対し、ライラックはさっきと同じ体勢を変えていなかったはずだが、
『…ねぇ、おじさん。探してるのは、これだよね』
と、いつの間にか右手に持っているナイフを見せた。
だが、ライラックは顔色ひとつ変えずに、
『…小さな子供相手にナイフかぁ。まぁ、それで気がすむならいいけどね…』
と、皮肉っぽく言葉を吐き捨てる。
その態度がますます気に食わないダチュアは、ナイフを握っている右手に力を込め、ライラックに向かって走り出した。
ナイフを構え、突き刺す勢いだ。
『くたばれ!…ライラック!!』
そう、ダチュアが絶叫した瞬間だった。
あと2、3歩で届くはずだったナイフが突如、ダチュアの拳から消えているのだ。
訳も分からないダチュアは立ち止まった。そして消えたナイフを握っていた右手を見回した。だがあるはずもなく、ダチュアは混乱している。
そんなダチュアに対し、ライラックはさっきと同じ体勢を変えていなかったはずだが、
『…ねぇ、おじさん。探してるのは、これだよね』
と、いつの間にか右手に持っているナイフを見せた。

