起きるなりマナは台所に立った。

「えへへ、お弁当作るよ!」

元気いっぱいに準備を始める。

悠斗はとりあえず風邪ということで学校に電話をし、無事に休みをもらった。

遊園地デートなんて自分には無縁だと思っていただけに、悠斗もかなり心は弾んでいた。


準備も終わり、電車の時間も調べ、二人は駅へと向かう。

制服で行くわけにはいかないため、二人とも私服である。

今日のマナは清楚なお嬢様といったところか、などと考えながら悠斗はマナを見ていた。

「どしたの?ニヤニヤして気持ち悪いよ」

「あ、いやごめん…」

「もしかしてわたしに見とれてたの?」

「え、いや…」

「うそうそ、照れちゃってかわいいやつめ」

マナが嬉しそうに笑う。

と、いきなり真面目な表情になり悠斗を見つめた。

「…ゆうくん、好きだよ」

「え………?」

マナはすぐに目をそらし歩き始めた。

「ほら!さっさと駅まで歩くよ!」

「マナ…もしかして照れてる?」

「はいはい、行くよ行くよ!」

マナも照れるんだ、と思いながら悠斗はマナの後を追いかけた。