「んん~、寒……。」 そう言いながら、体を起こしたのは、藤村勇緒(いさお)。 私の2つ年上のお兄ちゃんだ。 「おはよう、ゆうちゃん。」 私は、勇緒の「勇」という字をとって、「ゆうちゃん」と呼んでいる。 幼かった私が「勇」という字を読めなかったのが、始まりだったが、今ではそれもすっかり馴染んでいた。 「おはよう。」 「ゆうちゃん。悪いんだけど、シン起こしておいてくれる?」 「うん…。」