マイ☆ブラザー



目の前に投げられた大きな紺色のベスト。



「それ、着て…。」



ゆうちゃんはこっちを見ないようにそれだけ言った。



えっ…?


「でも、これ…ゆうちゃんが着てたんじゃ…?」



見ると、ゆうちゃんはワイシャツだけになっている。


「俺は別に着なくても大丈夫だから。それに…なつめをそんな格好で学校に行かせられないよ…。」


「……!」



「じゃあ、俺…先に外出てるから。なつめはそれ着たら来て。」



「…うん。ありがとう、ゆうちゃん…。」



ゆうちゃんは答える代わりに手をヒラヒラと振ると、鞄を持ってリビングを出ていった。