「一ヶ月の空白?」


「そうだ、全てはその一ヶ月に起きた。
私がこうなってしまったのも、お前に父親の記憶がないことも全てその一ヶ月が原因だ。」


海斗は信じられないという表情で話を聞いていた。


「その一ヶ月に何があったんだよ?」


すると保健室のドアが開き三上先生が入ってきた。
そして、その後ろにはなんと稲岡先生がいた。


「親子水入らずのとこすいませんが、解決策を持ってきましたよ!」


「あ〜そういうことね。」


海斗が納得したようにうなずく。


「つまり、私がその男に移ればいいのか?
まぁ、今の体よりはましだな。」


「ちょっと、三上先生。話がまったく見えないんですけど。」


稲岡先生は何も知らされないまま連れてこられたらしい。


「すぐにわかるわ。さぁ移っていいわよ。」


三上先生がOKを出すと、トミーがその場に倒れた。


「よし、移ったぞ。」


どうやら稲岡先生への移転が完了したようだ。


「さてと、清水君はベッドに寝かせとけばそのうち気付くでしょ。
これでようやく本題に入れるわね。」


「ドッペルゲンガーは今教室にいるって高岡先生が言ってたから、三上先生かおじさんが様子を見に行くってのはどう?」


「おじさんとはなんだ、いい加減認めたらどうだ?
まったく頑固なとこは私にそっくりだな。」


「誰が認めるかよ。」


海斗は意地でも認めない姿勢だ。


「このバカ息子が!私を本気で怒らせたいようだな。」


「こらこら二人とも、親子喧嘩は家でやんなさい。
そうだお父さんが行ってきたら?もう一人の息子さんなら、認めてくれるかもしれないわよ。」


三上先生が笑いながら提案する。