「ほら、二人とも起きて!もう朝よ!」


海斗は眠い目を擦りながらベッドから起き上がった。


「こんな朝っぱらから何ですか?」


「今日は学校休みじゃないのよ!もうあと10分もすれば授業なんだから。
あっ、さっき西村君のクラスの人が来て、これを渡してって頼まれたんだけど。」


三上先生は茶封筒を海斗に渡した。
海斗は封を切り、中身を抜き出してみた。


「ん?写真みたいですけど‥。」


そこに写っていたのは一人の中年男性だった。
すると、いきなり持っていた写真をかすめとられた。


「!?」


トミーだった。するとトミーは何を思ったのか写真を破り始めた。


「おい、何してるんだ!ふざけんな!」


海斗はトミーに飛びかかっていったが、もうすでに写真はバラバラに破れていた。


「海斗、久しぶりだな。とは言っても、覚えてないだろうがな。」


トミーの放った言葉に、怒るのも忘れその場に固まってしまった。


「清水君?ではなさそうね。あなた誰なの?」


三上先生が尋ねると、トミーはしばらく間をおいた後、静かに話し始めた。


「ついさっき、破り捨てた写真。そこに写っているのが私だ。
その写真には強い念が込められている。
しかし破られるとただの紙切れだ。
だから私はとっさにこの少年の体に入り込んだ。」


海斗はというと、今ようやく事態を飲み込んだ。


「つまりお前が噂のドッペルゲンガーってわけか?」


三上先生がそれは違うだろという表情でオレを見た。


「ドッペルゲンガー?何の話だ?
とにかく無駄な前置きは抜きにして、結論から言うぞ。
私はお前の父親だ。」