三上先生はなぜかひどくむせていた。
そこに本校のマドンナの面影などなかった。


「はぁ、はぁ、呼ばれて飛び出てなんとやら、清水参上!!」


「ゴホンッ!ちょっと清水君、ノックぐらいしなさいよ。驚いて‥ゴホンッ!気道に‥ゴホンッ!」


三上先生は喋れる状態じゃなさそうなので、海斗が代わりに答えた。


「トミー、どうした?」


トミーは息を整えると、話始めた。


「カイの家に入っていくドッペルなんとかを見たぞ!それとスマン、実はオレがちくったんだよ。」


「トミー、残念だが二つとも知ってる。さっき高岡先生から電話があったんだ。」


それを聞いたトミーは力尽きてその場に崩れ落ちた。三上先生もようやく苦しみから解放されたらしく、肩で息をしている。


しかし、ドッペルゲンガーが何を目的としているのか、どんどんわからなくなってきた。
1ヶ月前の母にわざわざ、タイムスリップしてまで会いたいとはオレですら思わない。


「しばらく様子を見ましょう。急がば回れっていうじゃない。」


「じゃあ、野郎は寝て待てっていうし、オレ寝ます。」


「果報は寝て待てって言いたいんでしょ?って、あれ?もう寝てるし。
まったく、世話のかかる子達だわ。
さてと、私はもう少し調べてから寝るとするか。」