俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~

「………小森って」


「……え?」


俺は膝の上で握りしめた手に、静かに力を込めた。


「元彼らしいじゃん?」


「…………」


「元彼と…なにいちゃついてんの?」


「…………」


俺が加奈子ちゃんを見ると


加奈子ちゃんは驚いた顔をしていた。


そしてただ


「小森君とは…もう何にもないよ?」


加奈子ちゃんは弱々しく言った。


「…………」


「信じて……?」


「…………」


沈黙する俺に気まずい空気が流れる。


なんで…俺は何も言えないんだろう


加奈子ちゃんに過去があるのは当然なのに


俺の過去のがよっぽど汚いのに


俺に加奈子ちゃんを責める資格なんてないのに…


なんで俺ってこんなんなんだろう


黒い感情がどうしようもなく押し寄せてくる



加奈子ちゃんが好きだから―…



俺は気付くと泣いていた。