「もう課題は写し終わったの?」


TVボードから取り出したPS3をセットする俺に加奈子ちゃんが言う。


「ん?無理無理。終わんないから今日はもう止め~」


俺はコントローラーをひとつ
加奈子ちゃんに手渡した。


加奈子ちゃんはそれを受け取りながら俺を見る。


「せっかくだから遊ぼ?」


俺がそう言って笑顔を向けると加奈子ちゃんの顔が明るく輝いた。


「いいの?私悪いけどゲーム強いよぉ?」


さっきまで課題をやるふりして加奈子ちゃんを無視していた俺に…


こんな俺に屈託ない笑顔を向ける加奈子ちゃんに胸がズキンとした。


俺ってマジで最低だ


何を怖がってたんだろう


逃げずにもっと早くに、加奈子ちゃんに話しかけてあげれば良かった。