「え~今日は俺と加奈子の為にわざわざ集まってくれてありがとうございます」




二次会もいよいよ終わる。


俺の最後の挨拶に、陽気な雰囲気もいったん静まった。


「まだまだ学生気分な俺たちですけど…力を合わせて頑張りますんで」


俺はふらつく足を踏ん張りながらもそういうと…


隣にいる加奈子を見つめて……





―――チュッ




うおぉぉぉーーー!!

ピューーピューー…!



その瞬間、静かだった場内の雰囲気は一気にまた盛り上がった。


俺は両手でピースをかかげ


そんな俺に加奈子も赤くなりながらも笑っている。





みんなに祝福されて……


きっとこんなに感謝して、幸せだった日はない。


みんなの笑顔に包まれながら


俺、今日まで生きてきて良かったって思ったんだ。


クソみたいなことも沢山あった人生だけど、



春馬に出逢って

愛子ちゃんに出逢って

加奈子に出逢って――――…



俺、生まれてきてよかったって思ったんだ。


ずっと恨んできた母親だけど、きっと今後会うこともないんだろうけど。



俺、今ならちょっと感謝できるんだ。


俺を生んでくれてありがとうって。