俺はお前だけの王子さま~ヒロキと加奈子~

「水梨は…A南しか受験しないのか?」


ある日の昼休み、俺は担任に呼び出された。


「そうですけど。なんか問題あるんすか」


俺の返事に渋い顔をする担任。


実はこのところ


俺は予備校の講師からも滑り止めの話を何度もされていた。


予備校ではAクラスに上がり


最初に絶望視されていた俺の学力はこの一年で飛躍的に伸びていた。


しかし


それでもA南大学に受かる確率は限り無くCに近いB判定。



つ―か…


大学受験ってのは何校も受験するのが通例らしく。


A南しか考えていなかった俺は担任と講師からの提案に、ここにきて迷っていた。


誰もが口を揃えて他も受けろと言う。


だけど俺にはその意味が分からなかった。


胃痛に加えて、この試練。


どうしようもなくなった俺は


気付くとオッサン教官を訪ねていた。