「アンタに何が分かんだよ」



俺の言葉に加奈子ちゃんの瞳が揺れた。



あ…

言ってから、キツい言い方だったことに気付く。


「…わりぃ……」


俺は加奈子ちゃんから視線を反らすとため息をついた。


相手は…加奈子ちゃんなのに。


加奈子ちゃんは少なくとも俺にとって初めての女友達で。


女=遊びだった俺の

初めて性欲対象以外でできた大切な奴なのに。


その加奈子ちゃんに八つ当たりしてどうすんだ。


俺はこれ以上、最低な男になるつもりか?



俺はまた髪をくしゃくしゃにした。


「わりぃ…俺いまイライラしてっから。もうほっといて」


俺は加奈子ちゃんに背けた。


「先に帰れよ。悪いけど…なんかもう今日は疲れてんの。」


マジでもう限界なんだ



そんな俺に
加奈子ちゃんは言った。


「やだ…ほっときたくない。」