14日の憂鬱

「……私が嫌がると思ったの?」



「……ああ」




答えながら永井が首を落とす。





「あれからお前と気まずくなって、キスなんかしなきゃ良かったとめちゃくちゃ後悔した」



彼はそう言いながらたちあがり、窓の外をちらりと見る。




その姿を私は見つめた。





あの、教室で初めてキスをした日と同じような強い風が、永井の体の隙間から吹いてくる。






永井もまた、悩んでいたんだね。



私のこと、いつから好きだったの?




永井がね、あの時教室から去ったとき、どーしてだろうって思った。




何か理由があるんだろうと思ったけど、それを問い詰める勇気がなかった。







ごめんね。



アレから微妙に避けてたこと。




思えば時々、永井が私に何かを言おうかとしてる瞬間があったよね。




あれは、きっちりさせようとしていたのかな。





ごめんね。




永井は一生懸命私とのこと向き直していたのに、私…






逃げていたよ。