14日の憂鬱

「え……どういう」



意味? と問いを重ねようとした所、永井が苛立って声を荒げた。



「お前が俺を好きになるより先に、俺はお前のこと好きなんだっ」


「……う、そ」




永井が私のこと好きだったって……?





その回答に私はただただ驚いて、言葉を失くしてしまった。


「嘘なんかじゃねぇ。だから、あの時キスしたんだ」




永井からのまさかの告白に、私はまだ付いていけなかった。


「ずっと前から……お前のこと好きだったんだ」


永井の目はとても真剣だった。


「ずっと前からお前のこと見てたんだよ。友達の相談を真剣に聞いてる姿とか。部活で一生懸命ノックボールあげてたこととか。全部知ってたよ」




永井の一言一言が、私の涙を止めていく。




「あの時、お前と初めていっぱい話せて嬉しくて。けど、泣いてるお前の姿を見て」




理性がついていかなかった



抱きしめたいと、



彼がそう言った。







永井の言葉の意味を段々理解してきた私は、顔が赤くなるのが分かった。


「でも…お前の気持ち知りもしねぇであんなことして、やべぇって思った」


永井が私の目線から逸れる。



逃げたのは悪かったと、口では言わなかったけれど、その表情を見るだけですぐにわかった。