先輩は永井の胸倉を掴んでいるが、永井の表情も険しい。



「気にいらねぇなぁっ。てめぇっ。生意気なんだよっ」



「別に先輩に気に入られる必要ありませんから」




先輩の迫力に一歩も退くことが無い永井の目は、相変わらず先輩を睨み続けていた。





「てめーらなんかなぁ。俺らの言うこと黙って聞いてりゃいいんだよっ。黙ってボール拾ってろっての」





少し含み笑いをした先輩の姿。



私は思わず




「……ひどい……」


と、つい言ってしまった。