太陽はもういない。

だからって月もいない。

今、

目に映るのは。

ガラス越しの夜景だけ。


美しいのは最初だけ。

晴れない気持ちはコレのせい。

ガラスが一枚あるだけで、

それがウソだと気付いてしまう。

どれだけ綺麗に磨いても、

どれだけ眩く光っても。

ウソの要素があるだけで、

全てがウソに見えてくる。

でも思った。

今、

このガラスを取ることはできないけど、

ココから抜け出しガラスの無いところへは飛び出せる。

今、

このガラスを取ることはできないけど、

それもあっての夜景だと思うことは出来る。


楽しい時間を過ごした後、

このガラス越しの夜景にロマンは感じなかったけど、

落ち着いて見てみたら、

コレもなかなか悪くない。

ガラスを否定するんじゃなくて、

否定の心を否定する。

そうしてみたら…、


今、瞳に映る世界は…


一つの芸術に見えた。


ほんの10分前までの駄作の世界は…




気持ち次第で、



一つの作品になった気がした。



汚れたガラスを磨いたら…

思ったよりも…、

霞んだものもよく見える。