----春


わたしは小学校からの親友の唯ちゃんと同じ学校に行きたくて、

必死に苦手な勉強をした


そして、見事、有名な進学校へ入学することができた





「へへへっ」



にやけがとまらない


わたし、園田佳奈子は、鏡の前で気持ち悪い笑みを浮かべていた



「かっわいーなぁー♪やっぱりっ」


可愛いのはわたしなんかじゃなくて、制服のことだ


紺のチェックスカートを膨らませるように鏡の前でクルクルと回ってみせる


ニヤニヤ笑っていると、インターホンがなった


「あっ!唯ちゃんだっ!」


ベットの上に置いてあった新品の匂いがする革のかばんを持って、わたしは玄関に走った