不器用な愛を。【短】



前言撤回。頭回りません。



「…ぇ、…え? ………逃げ…?」



理解できない私を見て聖斗は呆れたように、それでも手は相変わらず優しく頬を撫でる。





「なにがあったかは知らねーけど
変なこと考えて俺から離れようとすんなってこと」


「……………」



(……なに、それ。)






「帰るぞ」


私の腕を引っ張り歩き出す聖斗。


「え、ちょ…」


「いつまでもんな顔してんなよ
お前は俺のことでだけ泣いてりゃいいんだ」


「…………」



「用事は明日だ」

「え…」

「そもそもお前、今何時だと思ってる。あと2分で今日は終わりだ」


「えぇ!」

「顔洗って出直せ」



"俺も一緒に行ってやるから"