「・・・何?」

 腕をつかまれた。また・・・、また風間俊?

「ちゃんと勉強受けたら?」
「はぁ?」

 腕を掴む力がどんどん強くなる。

「別に受けなくてもわかるし。それにこれは義務教育じゃないから」
「だからって、こうするの?」
「なにそれ?マジメにして内申上げようとしてんの?」

 教室に流れる冷たい空気。でもそんなのはどうでもいい。風間俊にだけには、どうしてもイライラしてしょうがないから。

「お前だってなんだよそれ。委員長がそんなで―――」
「これが素だけど?それとも何!?あんたになんでも従わなきゃいけないワケ!?」
「そうじゃなくて!」
「じゃあ何なの?だいたい、あんたみたいなのがいるから―――」

 あれ?

「いるからなんだよっっっ!!!」

 教室に響く風間俊の声。

「・・・っ」
「え?」
 
 目から涙が溢れていた。自分でもわからない。いや、違う。わかるから、わかりすぎてるから涙が出るんだ・・・。最悪・・・。

「・・・て・・・」
「・・・」
「離してよっっっ!」
 
 私は教室を出た。でも、家に帰ろうとしても力が入らない。だから保健室に行った。風間俊のせいで、私には嫌な事しか起こらない。

 心が痛いよ・・・。