「いや、本当の事だから。」
と、また嘘を付く僕。
「そんでもって…紗枝まで利用するなんて。」
「利用って人聞きが悪いな。」
だって、本当の事じゃないか。
「そして…何でキスしたの。」
真っ直ぐな瞳。
「僕がしたいと思ったからだよ。」
自分でも、身勝手な台詞だと思う。
「あんた、一体何がしたいの?」
彼女は言った。
◆◇◆
目の前にいるのは、大嫌いな男。
なぜか、笑みを浮かべている。
私の質問に対して、そいつは言った。
「ナルシストっぽく聞こえるかもしれないけど、僕は今まで女の子に好かれない事なんて無かったんだ。」
「だから?」
冷たくいい放つ。
「そんな中、君は言った。僕の事が嫌いだって。…それで僕は決めたんだ。意地になってるだけかもしれない、だけど絶対に君を落としてみせるって。」

