「この家の方ですか?」 と消防士から聞かれ、小さくうなずくと 「残念ですが、中にいたお母様と弟さんは―――――お亡くなりになりました。」 その言葉を聞いた瞬間、全身の力がぬけ、 その場に泣き崩れた。 子供のように、何分も、何十分も 泣き続けた。 周りの人は、 「そんな・・・」 「かわいそうに」 「お父さんはいないのかしら?」 と、そんな感じだった。