お礼に満足したのかニコッと…いや、へにゃっと笑って
「送ってやる。
来い」
と気持ち悪いほど優しく言ってきた。
本当は
気持ち悪ぃなおい!!
って叫びたかったけれど、またさっきみたいに凄まれたくなかったから素直に着いて行った。
階段を降りてガレージみたいな所に行くとそこにあったのは、真っ黒のボディに薄いピンクで翔龍桜とでかでかと書かれた改造バイク。
「…これに乗んの」
これは勘弁して頂きたい。
いかにも族です!!って感じバリバリやん!
超目立つやん!
「そっちじゃねぇ」
それは走り専用、と言ってガレージの奥の方を指さした。
そこには、銀と黒の、他の改造バイクにも劣らない、堂々とした物体があった。
ツーリングとか出来そうな大きさで、ゴツめのソレは、憂依にとてもよく似合っていた。


