やっとのことで教室についたあたしはそのまま鞄を引っ掴み、再びドアへと向かう。 「紀憂〜! 午後早々授業遅れた挙げ句もう帰るのか〜!」 今どき珍しい熱血先生。 日焼けした肌にモリモリ筋肉。 顔は普通。 あたしはそんな担任が嫌いではない。 むしろ好き……あの筋肉が。 「ちょっと母が危篤で〜 直ぐに病院行かないとアカンのです〜。 だからバイバイ〜」 「先生もうその言い訳何回も聞いたぞ!」 「まぁいーじゃんいーじゃんっ。 あっ先生今日もNICE筋肉☆」 そう言い残して教室…学校を出た。