「お待たせしてすみません」
ずっと車の中で待っていてくれたらしい、いかついサングラスさんにとりあえずの挨拶。
「全然いーよ」
パッとこっちを向いてニカッと笑うサングラス。
いやだから怖ぇよ。
でも思ったよりも気さくな人なのかもしれない。
「あの…名前何ですか?」
「俺っ?
薫(カオル)。
俺に似合わねぇだろ」
苦笑しながらそういう薫さん。
でもあたしは似合わないとは思えなかった。
むしろ“薫”さんらしい。
何故かはわからないけど。
「薫さんらしいです」
なんて言ったらいいかわからなくて、結局思ったことを言うと、薫さんは一瞬止まって直ぐに
「サンキューな」
と笑って言ってくれた。
なんだか薫さんと意気投合できそう…
でもその前に。
その前に言いたいことあるねん。


