「だって、迷惑、でしょ?」
あたしが巻き込んで。
皆のあることないこと根も葉もないこと流されて。
「…音寧々はさぁ、俺達のこと怖くないの?」
「へっ?」
突然された質問に間抜けな返事を返す。
「分かってるでしょ?
俺達が…翔龍桜ってこと」
翔龍桜
しょうりゅうざくら
関東一帯、全国までその名を轟かすその名前。
倉庫やここに来るまでの数々のバイクや沢山の青年達。
ましてや壁にでかでかとその旗が掲げられていて、気付かないハズがない。
「普通の道から外れちゃったんだよ、此処にいる連中は」
大和をはじめ、高羅でさえも。
もう日向を綺麗に歩けない人達。
でも、それでも。
「全然怖くないよ…?」


