「大和、亀の子たわしじゃ釜が傷ついちゃう」
「あ、そうなんだ?」
何でも出来る様に見えて案外大和はパソコン以外できない、ということが判明。
そんな兆候はあったけども。
「あのね音寧々」
「ん?」
こびり付いた米も綺麗になって水切り台に置いた時、水気をタオルで拭きながら小さく呟く大和。
「確かに此処で会ったときには既に音寧々の存在を知ってたよ。
詳しくは聞いてなかったけどあの憂依が俺は一生独身かも…とか言うから気になっちゃって」
調べちゃったんだよね、と長い指で自分の髪を掻き分ける。
そりゃー気になるでしょう、10代にして何を言ってんだ。
「因みにそれ言ったの小学生の時ね」
…あいつは生まれてたった数年でどんな未来を見ていたんだ。
「ここは別に女の子禁制とかじゃないから自由に連れてきて良いんだよ。
でもあの憂依が覚悟を決めてるのを見て皆連れてくるわけないしね」
「あの灰も?」
「灰は普段女はべらす分特にシビアだよ。それに連れて来た子と話すかは個人の自由だから」
「だから俺等は知ったうえで音寧々と過ごした。スイも、高羅も」
「だから気にしなくていい。俺等は無理矢理じゃなくて自分の意志で音寧々と一緒にいるよ」
こっちを向いた大和がにこっと優しく笑んだ。
これは大和だけの言葉じゃない。
言われなくてもわかる。そこまで鈍くない。
「多分、2人の家柄的に難しいかもしれないけど。俺は純粋に嬉しいよ」


