「可愛い」


「つーん」


「だから可愛いって」


「つーん」


「…カッコいい」


「ほーん」


「おい今度は俺が泣くぞ」



所変わりまして。


ここはもう倉庫…ではなく、再び霧生家にごさいます。



なぜかって、あんな顔じゃ皆に見せられないからね。

いかにも泣き腫らしましたな顔じゃあ行けないし、行きたくないからね。



5分くらい憂依の腕にいただろうか。

もういいよ、と背中をタップし顔をあげたあたしに彼は。



「……フッ」



と笑いやがった。


そりゃあアンタみたいな超絶美形にとったらこんな顔もう月とスッポンのスッポンみたいなもんだけど…いやスッポンまでいかないよ、きっと大福くらいだよ。


ちくしょう、こんなだけど一応女なんだぞ、ふつーは女が泣いた後は心配するたろうが!




「ほんとに違ぇって、なぁマジで」


「そこまで否定するのが尚更怪しい」


「ぶっさいくって思ったわ悪いな」


「………。」




肯定が早すぎんだろーがよ。

もうちょい頑張ってよ。


さっきも言ったが仮にも女だぞ、あたしが傷つかない人種だとお思いか。


憂依が座るソファーに大きくケツからダイブ。ぼすん。


あたしの怒ってますよアピールは彼には通じず、むしろ少し顔を緩めてあたしの頭を手繰りよせた。




「でも可愛いってのも本当。
その顔に俺は目を奪われた」




変わってねーな、とくしゃくしゃする大きな手。




その口ぶりにあたしはまさか、と頭の血が一気に下がる。

まるで漫画の様にサーーと効果音まで付けれそうなほど、見事な下がり具合だった。