てか憂依ってこんな饒舌だったっけ。
今日会ってから凄い喋ってる。
こんな喋ってるの初めてな気がするんだけど…どうした?
「ねぇ憂依くん」
「なぁに音寧々ちゃん」
…こんなやりとりも今考えればおかしい。
「…どうしたの、マジで」
「は?…んでもねぇよ」
いつもの綺麗な顔が今は横しか見えない。
けど…うーん、なんだろう、何かおかしいな。
トイレか?本当にウンコか?漏れそうなのか?
焦ってる…ん?
テンパってる…のか?
「もしかして、さぁ。
緊張してる?」
そうだ、これから瑠璃んとこ行くんだ。
憂依のことだし、瑠璃と鳴海がチームの創設者ってことも知ってるんだろう。
だからなのか。
チーム同士の抗争にならないか、気ぃ張ってるのかもしれない。
「してるわけにぇだろ」
してますね、こりゃ十中八九緊張してますね。
ガン見してると
「…チッ」
ほら聞こえた、図星の合図。
勝った…!
懐かしの某漫画主人公風な笑みをするとピーっピーっと音がする。
カーナビの画面には後方画像が写っていて、あぁバックか…と息を吐いた。
ってことは何、もう着いちゃったの。
あのマンションに。
絶対怒られる、鳴海はともかくアイツに絶対怒られる。
行きたくない。
げんなりとしながら隣を見ればさっきまであたしがしていた笑みをしている憂依。
…このクソやろぅっ!
緊張していた憂依はどこ行った!


