必死こいて桜姫やってやんよ!





紀憂について知られてると思うとどこか後ろめたいような、切ないような、複雑な気持ちになる。




「瑠璃のせいじゃなくて…」


「……」


「あたしのしなきゃいけないことだから」




だから帰るんだ。




「…分かった」




今まで引き留めていたのが嘘のようにあっさり了承した憂依に拍子抜け。


まぁ分かってくれたならいいんだけど。




「一緒に帰る」




…やっぱり分かってなかったかもしれない!




「何言ってるのマジでアホなの」


「行くぞ」


「ねぇ聞いてますか」


「早くしねーと瑠璃に怒られる」


「あたしがな!」



って違う!

憂依が来たら確実に面倒なことになる、やだよ面倒なことは避けて通りたいんだよ。




「俺はお前離したくねーし、お前は帰りたい。
ほら問題ねぇ」


「ありまくりです、問題しかありません」


「うるせぇ行くぞ」


「う、ギャーー」




タワラ担ぎされたまま日本庭園を抜け、車にぶち込まれて降りる間もなくその車は発進した。