確かに帰ったらもう此処に来れることはないのかもしれない。
瑠璃達も勘が鋭いからこの手はもう通じないし、もしかすると監視が酷くなるかもしれない。
「さっきも言ったけど、お前を離すことは出来ない」
「さっきはいるだけでいいっつったじゃん」
「今離したら居ることもできねぇだろ」
「…っそれはそうかもしんないけど」
ずっと合わせていた目をフイ、と背けた。
だってしょうがない、正論だ。
「そこまでして鳴海ン所に帰りたいのか」
「え、なんで知って…ってあぁ、さっきの電話か」
「帰りたいのか」
「人の話聞こうか憂依くん」
「話している人の目は見ようか音寧々ちゃん」
「……」
「……」
はい、無言の圧で負けました、すんませんもうやめてその目とオーラやめて。
「帰りたいっつーか、帰んないと」
「あの兄貴か」
「なんでそれも知って…」
ってそうだコイツはこんな変態でデリカシーの無い奴だけど"霧生"なんだ。
結城家が知っているなら霧生家も知ってるよな、普通に考えて…


