「その代わり、にさ」
「…はぃ…」
「改めて、友達になって下さい」
「…!
よっ喜んで!
きゆ…音寧々さんっ!」
キラっと水分を光らせながら目を細めた笑顔は今日見た中で一番綺麗に輝いていた様に見えた。
「…ってことは俺んだな」
「バカなの?」
ハンナは用事があったようで今度こそお暇致しますわ、と帰っていった。
やっぱりまって、あたしも連れて行ってハンナ、この変態やだ、面倒くさい。
あたしを膝に乗せたまま腹前で腕にグ、と力を入れると次は肩にずしッとした重みが加わる。
首に柔らかい髪が触れてくすぐったい。
「…憂依達の所にも戻れないよ」
さわさわと撫でながら小さい声で呟くように言った。
てっきりあぁ?ってキレられるかと思ったけど彼はあたしに負けないくらい小さい声で
「いるだけでいい…いるだけでいい。今は」
と返した。
パーチ―以来に聞いた弱々しい声だ。
あたしが居ない間に何かあったのか…と思ったけど耳元に聞こえる寝息に気のせいだと確信した。
ってか本当に爆睡してやがる、震えてるように聞こえたのは眠かったからかよ!
なんだよ心配して損したわ!
つーかあたしは枕か!
…ん?
そういや拉致られる前もいつも触られながら寝てたし…
…マジであたし枕かよ。


