掴まれそうになったその時。



うわぁっ!と焦った様な声、タイヤの擦れる音と焦げるにおい、他のバイクよりうんと低い低重音が聞こえた。




その音源に向かって手を伸ばす。



いつの間にか携帯の通信は切れていた。




「おせぇよ、」


「ベスト過ぎるタイミングだろ」




アスファルトを蹴ると体が浮く、そして文字通り、飛び乗った。



ドでかバイクに。




「残念だったなぁオニーサン方!!」




そう叫ぶと彼らはどんどん小さくなり、見えなくなった。