「―…ハァッハァッハァッ…ッックソッ」




校門を出てすぐに、なんて反則だ。



薫の車はもうちょい先に歩いた所にある。



コイツ等もバカじゃない。


きっと薫達に分からないように、もしくは囮を使ってあたしのとこにいるのがバレないようにやってるハズだ。



だから皆がこの事に気付くのは少し遅れるだろう。


それまで、逃げないと。



歩道橋を渡って道の反対側へ。


人1人しか通れないような裏道へ駆け込む。



あぁしくった、ローファーでなんかで来るんじゃなかった。

…ローファーしかないけど。




「どこだあのアマぁ!」


「探せぇ!!
まだこの辺にいるハズだぁ!」




ハイ、います。



どうしようか。


今出ても危ないけどずっとここにいても危ない。



ヤ バ い 。



マジどうしよう。



と、ナイスタイミングであたしの手が震え、着信を告げる。