どろどろ。


まるで真っ黒の液体が体全体にまとわりついている感覚。



寝ているのに意識がある様な。


それとも夢、なのかな。



母さん、父さん…

ごめん、ごめんね。


親不孝な娘でごめんね。



兄さんも、ごめん…。



あたしのせいで家族はバラバラになった。

それは今でも変わらない。



あたしがあんな事しなければ


あの時ああしていれば



今更遅いよね…。



でもちゃんとやるから、頑張るから。



ソコから見ててよ…。




―…涙が何かに吸いとられるのが分かった。


きっとまた憂依が抱き付いていて、Tシャツに染み込んだんだろう。



よく分からないが心地好い温かさに、今よりもずっと深い眠りがあたしを手招きしている。



あたしはその誘いに拒むことなく真っ暗な世界に身を(ゆだ)ねた。