あとコイツ…カズは闇の住人だと。


醸し出すその雰囲気からそんな感じがする。




「急に黙っちゃってぇ〜怖くなっちゃったぁ〜?」


「やーん、こわぁーいー」


「…もうちょい演技力ほしいなぁ〜」




顔に出さないようにするのは慣れてる。

腐ってもあたしは“紀憂”だ。




「なぁ〜んも聞かないのね〜、龍王のオジョーサンは〜」




面白くな〜い。呟きながらあたしの頭を撫でる。



リュウオウ…?




「聞いたら答えてくれんの?」


「まさかぁ〜。
けど、目的なら教えてやるよ?」




仰向けのあたしの視界はカズonly。



あ、意外とイケメン。



カズの長い前髪が降りかかってくる。




「―――てめぇをぶっ壊すことだ」




顔に触れた指先は酷く冷たかった。