真っ黒のソファーに降ろしてもらい、周りを見渡した。
とても広い部屋。
テレビ…ゲーム…漫画…雑誌…キッチン…そしてソファーに、ガラステーブル、その上には灰皿。
ここまででも容易に想像できる、此処が何処かってこと。
だけどまだ信じたくはなかった。
信じたくなかったのに!
壁に堂々と掲げてあるアレを見てしまったからには、もう信じるしかない。
「はい、これでよかったかな?
え〜と…」
「あ、紀憂です。
ありがとうございます」
リンゴジュースを差し出してくれたツートーンのお兄さん。
「キユウさん、ね」
「自分紀憂いうん?」
救急セットをとりに奥へ行っていたらしい灰が戻ってきて。
「名前?名字?」
まるで子犬のようにキラッキラした目であたしを見てくる金髪ちょんまげの彼。
まさか、この人達が………
信じたくねぇ!!!!!


