もしかして憂依って…




「金持ち?」


「…知らね」




てめーんちのことじゃねーか、知らねはないだろ知らねは。



…けど憂依ならあり得るな。


なんせボーの達人だからな…。





大ホールの手前の真っ白い扉。



去年は入った途端悲惨な目にあった。




『紀憂様がいらっしゃったぞ!』


『ホントですわ!』


『『『紀憂様〜!!』』』




ドドドと効果音が響いて。



本当にここにいるのが金持ちか、って程の落ち着きのなさ。



そして名刺やら握手やら揉みくちゃにされ、気付いたらパーティーはお開きになっていた。