「そういえば薫さんって何歳ですか?」


「薫でいい、あと敬語も。

歳?
何歳だと思う?」


「わかった。

ん〜26くらい?」


「フッ」

「………」




隣で鼻で笑った憂依に、何故か話そうとしない薫。




「…あたしヤバいこと言った?」


「…薫は19だ」




口を開かない薫の代わりに憂依が答えた。


薫は運転をもくもくとしているだけ。




てか…え、マジすか。




「見えない!」


「うっせぇそれでも19なんだよ!
今を生きる10代なんだよ!」




そう叫ぶ薫はやっぱり本物にしか見えなくて、ぶっちゃけ怖い。



ありえない。


スーツとサングラスが似合い過ぎる10代なんて。




「ったく。

オラ、着いたぜ」




横を見ると、どこかの教会みたいにどでーんとそびえ立つ、白い外壁の成瀬川別棟大ホール。