いとしのポテトボーイ

いつのまにか、ほかの部員たちも雪沢クンを囲んでいた。

雪沢クンをグルリと囲む、怖い顔をした先輩たち。

なんだか、奈良岡クンの最期とダブりそうな場面。

奈良岡クンはきっと、あんな格好で等々力センパイたちに殴られた。

等々力センパイもサッカー部だった。

今あそこで怒鳴っている人もサッカー部の主将。
サッカー部って怖い。
 
主将は、サッカーボールを雪沢クンの顔めがけて投げつけた。
雪沢クンはそれを両手でカバーした。

「グランド走って来い。俺がよしと言うまで上がるな!」

「はい!」 

雪沢クンはグランドを走り始めた。