いくらわたしに色気がないからって、これでも女の子に見えるでしょ? 
ちゃんとスカートはいてるし。
どこに目つけてんのよ、失礼しちゃう。

「ウチの女子チーム、結構強いのよ。アナタ、見るからに運動神経良さそうだし」

彼は言った。

ううん、彼、女の子だった。

確かにわたしのとりえは体育ができること。
スポーツすることは大好き。
でも、サッカーなんかしたらますます男の子みたいになっちゃうよ。
現にこの人がそうじゃない。

わたしたちの横で、サッカー部の男子部員が、沢山の女の子に囲まれていた。
マネージャー志願の女の子たちだ。

サッカー部、というだけで、ナゼか女の子にモテてしまうこのご時世。
望月クンもサッカー部だった。
今ごろ、モテているに違いない。

「ホラ決まり。ハイ。入部届けに名前とクラス書いて」

なぜかわたしは入部届けを出してしまった。