9、揺れる心


わたしは喫茶店を出てすぐに部活に戻ったけれど、1時間近くもの無断遅刻に主将はカンカン。
あげく雪沢クンのことが気になって練習にも身が入らない。

となれば当然「居残りランニング」が待っていた。

着替え終わって部室から出て来ると、雪沢クンが待っていてくれた。

「俺と一緒に部室に向かったオマエが、どこへ消えちまったんだよ?」

「うん・・・」

わたしたちは肩を並べて校門を出た。

「明日は気合入れて練習に出るンだぞー」

と、主将が自転車でわたしたちを追い越して行った。

「今日はスミマセンでした。さようなら」

わたしが言うと、雪沢クンもうちの主将に

「失礼します」

と挨拶をした。