「どういうつもりだよ」
静かだけど明らかに怒っている雪沢クンの声。
わたしに言っているのか安土クンに言っているのかは暗くてよく判らない。
「オマエは奈津美のことが好きなのか?」
安土クンが雪沢クンに尋ねた。
雪沢クンの性格では、まさか「ハイ好きです」とは答えてくれないだろう。
だけど、
「ああ好きだよ。オマエには悪いけど、初めから奈津美のことが好きだったよ」
と答えた。
「そうか。悪かったな」
安土クンは吐き捨てるように言うと、ひとりで歩き出した。
「それだけかよ? 奈津美に何したんだよ? 何か言うことねえのかよ?」
雪沢クン、怒ってる。
等々力センパイの時もそうだったけど、雪沢クンは安土クンに対して叱りつけるような言い方をよくする。
安土クンはわたしに軽く右手を上げてから、ペンションのある方角へ歩いて行った。
静かだけど明らかに怒っている雪沢クンの声。
わたしに言っているのか安土クンに言っているのかは暗くてよく判らない。
「オマエは奈津美のことが好きなのか?」
安土クンが雪沢クンに尋ねた。
雪沢クンの性格では、まさか「ハイ好きです」とは答えてくれないだろう。
だけど、
「ああ好きだよ。オマエには悪いけど、初めから奈津美のことが好きだったよ」
と答えた。
「そうか。悪かったな」
安土クンは吐き捨てるように言うと、ひとりで歩き出した。
「それだけかよ? 奈津美に何したんだよ? 何か言うことねえのかよ?」
雪沢クン、怒ってる。
等々力センパイの時もそうだったけど、雪沢クンは安土クンに対して叱りつけるような言い方をよくする。
安土クンはわたしに軽く右手を上げてから、ペンションのある方角へ歩いて行った。


