いとしのポテトボーイ

堤防の端っこに安土クンは座っていた。

暗闇にタバコの火が浮かんでいる。

「真希チャンに何て言って出て来たの?」

わたしはまず、そのことが気になった。

「タバコ買って来る」

それなりに真希チャンに配慮はしている安土クン。

「わたし、安土クンのこと見損なった」

「どうして?」

「どうしてって・・・」

わたしは返す言葉を失った。

真希チャンはどうなるの?

「俺、真希に好きだなんて一言も言ってないし。周りが勝手にそう思ってるだけだろ? オマエと雪沢だってそうじゃないのか?」

「わたしは・・・・・・」

「雪沢じゃなくて、俺のことだけ見てくれよ」

「安土クン・・・」

「俺じゃダメか? オマエの彼氏にはなれねえか? なあ奈津美」

安土クンは強引にわたしの体を抱き寄せた。

「安土クンッ」