いとしのポテトボーイ

「ジャガイモを丸ごと茹でたヤツ売ってたよ」

真希チャンは楽しそうに、カップに入ったジャガイモ君を見せてくれた。

「ハイ、奈津美の分。安土クンも食べる? 雪沢クンはいらないンだって。だって共食いになっちゃうもんね」

真希チャンがわたしと安土クンに配ってくれた。

いつだって明るい真希チャン。

言うことも仕草もとても可愛い真希チャン。

こんな真希チャンの、安土クンはどこが気に入らないんだろう?


ううん、こんな色気のないわたしの、どこがいいって言うの?
 
焼きソバ、タコヤキ、フランクフルト、かき氷。

どれもわたしの大好物なのに、また、美味しくいただけそうにない。