いとしのポテトボーイ

雪沢クンが手前の部屋のドアを開けて、わたしが入るのを待っている。
 
嘘でしょ? 

わたし、雪沢クンと同室なの?
 
今さら真希チャンと同室にしろとも言えなくなって、わたしは雪沢クンと部屋に入った。
 
ベッドが2つ。
 
花柄のカーテンやソファのクロス。

さすが真希チャンが選んだペンションだ。

わたしが呆然と立っていると、雪沢クンは、

「こんな部屋割り、聞いてなかったよな」

と言った。

「こ、困るわよねえ?」

わたしが雪沢クンの顔を見ると、

「俺は構わねえけど。イヤなら変えてもらおうか?」

その言い方はなんだか不機嫌。

「あ、べ、別にわたしも構わないわよ」

こんな時に強がり。

ナゼかわたし、猛烈に暑くなって来た。

どうしよう。

汗臭いなんて言われたら恥ずかしい。

「俺、こっちでいいか?」

雪沢クンが入り口側のベッドに腰掛けた。

「あ、う、うん、どうぞ」