「遅かったな」

「え?」

雪沢クンが倉庫の中へ駆け込んで行った。

「遅かったって、まさかッ」

わたしも雪沢クンを追った。

わたしと雪沢クンの目に飛び込んで来たものは、既にグッタリと横たわっている安土クンの姿だった。

顔から血を流して倒れていた。

「安土クンッ!」
 
わたしはあまりのショックで動けなくなってしまった。

「し、死んじゃったのッ?」

それだけ聞くのが必死のわたし。

「まだ死んでねえよ」

等々力センパイが答えた。

「だけど死ぬかも知れねえな」

等々力センパイは倉庫の扉をしめた。