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犯人のあまりに無謀な行動の意味を、推し測ろうとして、測りかねて、その日は結局そのまま解散となってしまった。
だが翌日、再び悠スポの号外が発行された。
新聞部は、いったいどこから情報を得ているのか。
そこには、前日の放課後、北校舎一階の更衣室で、またカメラのシャッター音を聞いた生徒がいた、と書かれていたのだ。
「西林寺くん、生徒会が盗撮犯を捕まえてくれるんでしょう?」
掲示板の前で、一人の女子生徒が不安げな顔で直姫に話しかける。
ショートボブの幼い顔立ち。
確か、昨日の朝に自分はテニス部だ、と言っていた、隣のクラスの子だ。
なにかの参考になるかと見ておいた女子テニス部員のリストにも顔写真が載っていたはずだが、案の定直姫は、名前までは覚えていなかった。
「もう、怖くて怖くて……」
「え、と……うん、自分にできることは、あまりないかもしれないけど」
「東雲先輩や石蕗先輩ならきっと大丈夫よね?」
彼女の目は、まっすぐを直姫を見つめる。
その瞳に少しの揺らぎもないことに気づいて、直姫は言葉に迷った。
そして目を逸らせずに、ぽつりと呟く。
「うん……きっと。」
これが、生徒会への信頼の高さなのだ。
少女は短い髪を揺らして、口許に手を添えた。
直姫がその意図に気付いて耳を寄せると、小さな囁き声で、言う。
「あのね、実は、内緒のお話があるのですけど」


