新学期が始まって、そろそろ一ヶ月になる。
カレンダーは昨日、四月のページから次を捲ったばかりだ。

一年生も順応の早い人はもう高校生活に慣れてきたようで、休み時間になると賑やかに談笑する声が教室や廊下のあちらこちらから聞こえてくる。

ちなみに悠綺は校舎が広く移動に時間がかかることを考慮してか、休み時間がいちいち長めに設定されている。
四十五分間の授業のあと、次の授業までは十五分も間が空くのだ。

移動のない時はそのまま教室で短いティータイムを過ごす生徒もよく見られ、それがまた、平和的な風景に拍車をかけていた。