「違うっ!嬉しかった…。和沙からキスしてくれるなんて…嬉しかったの…」

 そう言うと和沙は目線をそらした。

「和沙?」

「…そんなこと言われちゃ…家に帰りたくなくなるじゃん…」

 そういうとまたあたしの頭をもってキスをした。

 何度も何度も角度を変えながらそっと…優しく。

 心臓がドキドキしているなかついばむようにキスをしてくれる和沙。

 初めてのキスにあたしはトクントクンと脈打つ心臓を抑えることが出来なかった。

「…好き…大好き…和沙」

「俺も…。…あんな目で見られたら…。帰したくなかったよ…」

 そう言ってもう一回触れるくらいのキスをした。

「帰ろうか?もう5時45分だし…。辰哉さんに怒られちゃうね」

「うん」

 そう言ってくるっと振り返り歩き出した。
 その度に首につけたネックレスがシャラッと音を立てながら…。