「…何?桃奈ちゃん!もうそろそろ朝練終了だねっ!片づけしようか?」


「…は…はい!」


 …強くなるって…決めた…。


 でも…2人のせいで決意が緩みそうだよ…!
 また泣きそう…。


 泣かないよ…!
 泣いちゃおしまいなんだよ!


「優…?」


「ふっ…」


 あたしは部活が終わって更衣室へ戻った。
 誰もいないさびしげな更衣室。


 まるで今のあたしの心みたい……。
 誰もいなくて…。


 その瞬間…目から涙がこぼれおちた。
 泣いちゃダメって決意してたはずなのに…。


 でも、もうこの悲しい気持ちを抑えつけることができなかったの…。
 誰かに心を救ってほしかったの。


「優…!」


 入口にいたのは友恵。


「友恵…」


「…あの人たちひどいよね…!優の気持ち考えもしないで!あたしは優のこと誰よりもわかってるんだから!だから…あたしになんでも言って」


 いつも優しい友恵。
 あたしのことを優しく包み込んでくれる友恵。
 あたしは友恵だけにはなんでもすがっちゃうんだ…。